2011年1月22日土曜日

ANA/全日空の目指す業界再編とは その2

アクセスインターナショナルが破綻した2010年11月30日以降、
発券機を持たず、アクセスインターナショナルを発券先としていた
多くの中小旅行代理店が行き詰る事になります。

12月1日以降と言えば、年末年始の発券で相次ぐ時期。

ですが、年末年始には割引の航空券が一切存在しません。
「旅割」、「特割」はおろか、「往復運賃」さえ存在しなくなります

この時期に航空券を利用する方は、
定価運賃で搭乗するしか手法が無いのですが・・

ひとつだけ方法があるのです。

航空会社には「株主優待券」というものが存在します。
これは、株主へ「全路線全期間半額利用可能」という条件で、
年に2回(6月、11月)にある種配当として配布されているものです。

6月に発行される株主優待券は、翌年5月31日まで利用可能。
11月に発行される株主優待券も、翌年5月31日まで利用可能
となっています。

現在、複数の航空会社で発行されている同券ですが、
JAL/日本航空は当然破綻しているため、
株主優待券の発行は行っていません。

多額の投資をしている株主には、当然多くの枚数が配布されます。
しかし、そこまで多くの航空機を利用する機会も無いため、
金券ショップやブローカー等にこの株主優待券を転売します。
それによって現金としての利ザヤを取れるわけです。

中小エージェントは、ここに目を付けました。
その株主優待券を購入し、発券を行う事で年末年始やお盆の時期に、
割引航空券として販売する事が可能だったからです。

しかも、11月末に新券(下半期の株主優待券)が配布されれば、
市場には一旦株主優待券が溢れる形になりますので値がこなれます。
そうすれば安価に株主優待券を仕入れることが可能で、

航空券販売価格-(半額運賃+株主優待券)=利益

の計算式だと大幅に利益率を向上させる事が可能です。
更に発券手数料も2.5%ですから、ある程度十分に収益を得ることが
可能となるのです。

そのため、年末年始の予約開始は10月半ばあたりからが相場で、
「先行予約」と呼ばれる先取り予約を受け付ける事によって、
殆どのエージェントはお客様から先に代金をお預かりしています。

言わば絶対に発券しなくてはならない状態でした。

しかし、その最大手の発券先を潰された中小エージェントは、
発券先を探して右往左往する事になります。

もっとも、自社に発券機を持っていた中小エージェントは、
とりあえず自社発券機で発券を行う事になるのですが・・・

これが悲劇を生むことになるのでした。
そこに、ANA/全日空の陰謀が潜んでいるとも知らず・・
 
 
 
 

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