2011年1月20日木曜日

販売体制が変化して行く

航空券の入手経路は2つあります。

1.航空会社のホームページから直接予約、直接購入
2.旅行代理店を通じて購入

かつては、インターネットなどというものも無かったため、
航空会社は集客の殆どを旅行代理店に頼っていました。

当時から、
空の飛行機を飛ばすよりも、安くても顧客を載せた飛行機を飛ばす。
という目的もあって、航空会社は各旅行代理店に安価で航空券を卸す、
または高めの手数料(キックバック)を支払う事で販売を強化して来たのです。

元々、ANA/全日空も、JAL/日本航空も自社の定価では
価格が高過ぎでしたし。

旅行代理店としても、その手数料に魅せられ、
多くの航空券を店頭販売して来ました。

航空会社と旅行代理店の蜜月はしばらくの間続きました。

やがてインターネットが普及し、航空会社もホームページを持つようになり、
予約などもインターネット上で出来るようになって行きました。

そんな中、2006年を境に状況が変化し出します。

それがANA/全日空の新航空券。
「旅割」の導入でした。

従来は、「バースデイ割引」と呼ばれる誕生日前後の搭乗のみを
直販の格安航空券として取り扱って来ましたが、この適用枠を拡大。

年末年始、お盆と言った特別な時期を除いては、
殆どの時期、殆どの路線に「旅割」を適用しました。

結果的に「旅割」=「安い」というイメージを消費者に植え付けることに
成功したのです。

しかし、元々「旅割」の該当席数は非常に少なく設定されており、
販売開始と同時にSOLD OUTとなることもしばしば。

そうなれば次に「特割」と名付けられた、
二段階目の割引航空券へ顧客は流れます。

しかし、「旅割」と「特割」の価格差はおおむね1万以上の差があります。
そのため、顧客はここで分岐点に立つわけです。

1.ちょっと割安の「特割」を購入する。
2.旅行代理店で「特割」よりも安い航空券を購入する。

ここでも、まだ2.の選択肢は残っています。

ただ、顧客の流れは最初の2分岐では無く、
安い航空券を求めて溢れた顧客を、旅行代理店が掬い取る
というちょっと形が変わった2分岐へ変化して行ったのです。

そんな状況でもJAL/日本航空は耐え切れず失速、失墜。
事実上航空業界の盟主となったANA/全日空の暴走がここから始まるのです。


 

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