2011年1月20日木曜日

巨象が蟻に食われる

スカイマークという会社をご存じでしょうか。
恐らく、空の便を利用された方なら殆どがこの名前を聞いた事が
あると思います。

スカイマークは、1996年11月に現エイチ・アイ・エス社長である
澤田秀雄氏を大手出資者として設立。
1998年(平成10年)に福岡=羽田路線を運航開始しました。

その料金たるや当時の状況からすれば破格値で、
普通運賃(定価)をANA/全日空、JAL/日本航空の半額程度。
当然ほぼ満席状態で毎日運航されていました。
機内は確かに狭かったものの、少しでも安くという一般消費者の
搭乗は減ることが無く、堅調に業績を伸ばして行きました。

当然、これで面白く無くなったのは既存のANAやJAL。

スカイマークの前後便に、その定価とほぼ同額にした便を設定。
対抗を図ったのです。

この時は顧客が同価格のため分散。
結果的に3社が並んだ状態となりました。
しかし、その措置はドル箱路線である羽田=福岡の赤字化を
招いてしまう結果となりましたが・・。

そういった紆余曲折の中、スカイマークは2004年、
当時のISP(インターネットサービスプロバイダ)であった、
ゼロ株式会社の会長である西久保愼一氏を招聘。
西久保氏が会社合併等を含めた増資計画に参画することとなったのです。

更に2006年に従来のスカイマークエアラインズから、
現在のスカイマーク株式会社へ社名を統一。

業績を黒字に転化させながら、路線拡大を図っています。

もっとも、運航上のトラブルやその他の問題も非常に多いため、
決して誉められてばかりとも言えませんが・・・
(茨城空港を3カ月で見切って捨てるとか)

スカイマークは国内の企業としては独特で、
他航空会社は全て参加している定期航空協会や、
全日本航空事業連合会には一切参加していません。

この事が日本的陰湿体質である、
「実は裏では仲良く皆で利益を取りましょう」的感覚を
破壊する事に成功しているのです。

つまり、ANAやJALに抱き込まれない体質を、
作り上げることに成功しているのです。

現に参加している他企業、スカイネットアジア航空や、
スターフライヤーなどは「コードシェア便」と称して
事実上ANA/全日空傘下企業となっています。

航空業界の風雲児と言えなくも無いでしょう。

JALが弱体化した今、全国の航空会社の殆どを傘下に収め、
巨象となったANA/全日空。

彼らが次に行った事が、「蟻潰し」だったのです。



 

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