2011年1月21日金曜日

発券機の条件

航空券はどのようにして発券されているのかをご存知でしょうか。
チケットレスとなった現在でも、
当然、チケットレスナンバーを含む形で
航空券の発券は行われています。

航空券の発券を行うのは
ANA/全日空、JAL/日本航空や、SKY/スカイマーク
といったいわゆる「キャリア」は当然として、
全国各地に点在するエージェント、
いわゆる、旅行代理店です。

代表的なものではJTB(株式会社ジェイティービー)や
NTA(日本旅行)がありますが、
その他の小さな旅行代理店でも発券を行えます。

しかし、発券を行うためには「発券機」を設置する必要があり、
その発券機の設置条件は非常に厳しいものとなっています。

たとえば、オフィスの広さ、店舗の場所。
更に従業員数、過去2年の決算状況などを全て監査した上で
発券機を設置することを認めます。

発券機を設置するためには更に
「保証金」というものを航空会社に収める必要があります。

いわば担保。

航空業界は原価率が高く、一旦回収困難になると、
大きな被害金額となるため、債権保全の意味からも
保証金を要求しています。

保証金の金額は、「発券量に応じて」となってはいますが、
実際には100万~5000万といった風に、会社によって
かなり開きがあります。

小規模エージェントは、おおむね100万~500万程度
というのが相場でした。

この保証金の金額によって、
各エージェントが発券出来る量は違って来ます。

100万の保証金を積み立てているエージェントは、
ほぼ1億の発券は出来ません。

発券の状況は各キャリアが常時監視しています。

よって、小さなエージェントでは大量に発券する事は出来ないため、
大手のエージェントに発券を依頼する仕組みが出来あがります。

大手のエージェントは多く発券出来るため、
航空会社から多めのキックバックを貰い、それを還元する
という仕組みになっているのが通常でした。

たとえばこのような感じです。

航空会社(利益率85%)

 ↓ (手数料15%で卸)

大手エージェント(利益率10%)

 ↓ (手数料5%で発券)

小規模エージェント(利益率5%)


大手エージェントにも10%、小規模エージェントにも
5%のキックバックが残る仕組みです。

小規模エージェントは、自分のところで発券しても、
元々5%なので、持ちつ持たれつといった感じ。

これまではこのような仕組みで、
各社は稼いで来たのでした。

ちなみに、先日書いた「アクセスインターナショナル」は、
ANA/全日空航空券の発券にかけては全国でも指折りの
大手発券先でした。
 
しかし、アクセスインターナショナルは倒産しました。
 
航空券販売が好調で売上高が
38億8647万円となったものの、利益率が低下して減益


航空券販売でカバーして41億8371万円に売上高を伸ばしたものの、
利益面では収益性が悪化

 
この原因はまさに、JAL/日本航空の失脚によって、
ベースが完全に崩れ去り、ANA/全日空の暴走が始まった結果なのです。

次回からはいよいよ核心に触れて行きたいと思います。
 


 
 

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