これまでの日本の航空業界は、
青い翼(ANA/全日空)と、赤い翼(JAL/日本航空)が、
その殆どを牛耳っていました。
2010年1月19日。
負債総額2兆3221億円の赤い翼は、
経営破綻からその日一旦翼をたたみ、
株式会社企業再生支援機構による支援、
及び会社更生手続の開始を行いました。
会社更生法の適用による債権は、
借入金などの負債額がチャラになるため、
負債が無い、いわばゼロスタートとなります。
こういった場合、資金繰りに四苦八苦していた企業が、
一夜にして優良企業となってしまうケースもあります。
当然、資金も使える状態となれば競合他社は不利となるため、
そういった意味で、日本航空は強い財務体質を得たと言えるでしょう。
そんな中、声を荒げてこの措置に反論した人物が居ます。
JAL/日本航空とライバル関係にあった競合他社、
ANA/全日本空輸株式会社の伊東信一郎 代表取締役社長でした。
「日本航空の経営破綻について過度の支援は競争原理に反する。」
ライバル社が発した、一見正当な意見にも思えるこのコメント。
この声明の背景には、ANA/全日空の台所事情が深く関係しています。
ANA/全日空の負債総額、1兆7000億円。
JAL/日本航空の負債総額2兆3221億円に僅かに及ばない程度。
現時点でもこれだけの負債を、ANA/全日空は抱えたままなのです。
「うちだって借金があるのに、JALの野郎は支援を受けやがって!」
伊東氏の言葉の裏には、恨み半分のこのような事情があったのです。
元々世界レベルで見ても、
最も高い航空料金を徴収している日本の航空業界。
それなのに負債総額は・・・。
その原因はどこにあり、彼らは現在何をしているのでしょう。
これからこのブログでは、こんな業界事情をお伝えして参ります。
どうぞよろしくお願いいたします。
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